老人ホーム入居のための資金

高齢者施設の見学

老人ホームなどの高齢者施設へ入居するためには、それなりにお金がかかるということは、多くの人が理解していると思います。

「じゃあ、いくらかかるの?」と考える人が多いと思いますが、実は、施設入居の資金計画を立てるためには、「いくらかかる」よりも先に、入居者本人のお金の事情を知ることが不可欠です。

とくに、親子いっしょに老人ホーム探しをする場合には、子は親の懐具合をしっかりと把握しなければなりません。

「いくら親子でも、お金のことは話づらい・・・」と感じるかもしれませんが、後々に「こんなはずでは・・・」とならないために資金計画をたてる、という意識をもちましょう。

親のお金の事情を知るためには、直接、親に資産状況を聞くことが必要です。

聞きにくいかもしれませんが、大げさな言い方をすれば、これをしなければ施設選びは始まりません。

たずね方としては、「お母さん(お父さん)の老後の暮らしをよりよいものにするために、今後の資金計画を一緒に考えよう」とダイレクトに聞くか、「○○さんのお母さん、施設に入られたんだって」など、知り合いの話から自分たち親子の話にすり寄せて話をもちだす手もあります。

親御さんの性格などを考慮して、タイミングを見計らいつつ早めに確認してください。

やはり、お金の話は、日頃からコミュニケーションが確保できていないと難しいこともあるので、日常、親子間での会話を心がけたいものです。

さて、お金の話をするなかで確認すべき一つ目は、月々の収入です。

  • 公的年金
  • 個人年金
  • 給与、家族の援助、その他の収入(ある場合)

など、毎月の収入をしっかりと把握します。

それから、確認すべき二つ目は、総資産(負債とも)です。

  • 預貯金
  • 生命保険
  • 不動産(自宅ほか)
  • ローン、借金などの負債

一般的には、入居一時金などのまとまったお金については蓄えから捻出し、月々の経費は年金などの収入から支払う、というケースが多いです。

もし、年金額が少なく毎月の支払分が不足するなら、蓄えを取り崩すか子が支援することになりますが、親に余裕がなく子からの支援も難しいというケースでは、無い袖は振れません。

その場合は、軽減策のある福祉施設が選択肢となります。

 

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子の支援ではここに注意

年金手帳

親の老後のために、子が支援をするケースは少なくありません。

しかし、いくら現在は十分な収入を得ていても、子自身もそう遠くない時期に老後生活が始まるということは認識すべきです。定年が訪れ年金生活になることを考慮しながら考えなければなりません。

 

子が親に経済的な支援をする場合は、子自身の生活設計も練った上で、ムリのない範囲で行うことが重要です

実際、施設に入った後にお金が払えなくなり、退所を強いられたというケースは少なからず起こっていますので、そういったことにならぬよう資金計画は慎重に練る必要があります。

中には、親の要介護度が高く、介護疲れで親子共倒れ寸前の状況で、とにかく楽になりたいと、お金のことを検討せずに施設入居の契約をしてしまいたくなることもあるかもしれませんが、お金のことを安易に「何とかなる」と考えるのはぜったいダメ。

そういう場合には、担当のケアマネージャーに相談して、とりあえず在宅のままショートステイを目一杯(連続30日)利用したり、あるいは一定期間、老人保健施設を利用するなどして、とりあえず介護する側の疲れを癒してから、冷静な状態で検討することをおすすめします。

生活保護受給者が入居している施設の割合統計図

 

また、トータル的に経済状況がひっ迫しているなら、親に生活保護を申講することも一案です。

生活保護と聞いて、負のイメージをもつ人がいるかもしれませんが、施設の月額利用料を生活保護の「生活扶助」「住宅扶助」で賄える可能性があり、さらに「介護扶助」も利用できます。

右図のとおり、生活保護で民間の高齢者施設に入居している人は少なくありません。

※詳しくは、有料老人ホーム協会「平成25年度有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅に関する実態調査研究」を参照してください。

 


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資金計画の立て方

もっともらしい言い方をすれば、将来の想定外の出費にも対応できるように、ぎりぎりではなく、ゆとりのある資金計画を立てる必要があります。

そもそも、老人ホームへ入居する資金計画とは、入居から亡くなるまでの予算です。

施設へ入居すると考えたとき、往々にして、当初必要な一時金や月々かかる当面の経費を何気なく算段して契約してしまいがちですが、この先何年生きるかによってかかる金額に違いが出るのは当然のこと。

入居から最後のときまで、何事もなく経過すれば大きな問題はないでしょうが、途中、病気やケガなどで予想外の出費に見舞われることだって珍しくはありません。

そんなときには、予備費的な枠がなければ対応が難しいでしょう。

よく、予備費を現金で賄うことが難しい場合に、「そのときには、実家を売却します」という意見も聞きます。

確かにこれは一案ですが、実際に不動産を売りに出してもスグに現金化できる(売れる)とは限りません。

また、実家の売却となれば相続がからむ可能性があるため、親本人の意向はもちろん、兄弟姉妹間の意見調整など簡単には運ばないことも多いものです。

 

実家を売却

さらに、売却時に不動産の所有名義人である親本人が認知症などで判断力がなくなっていれば、本人が売買行為を行えないので、家庭裁判所に成年後見人の申立てをして手続きを行う必要だってあるのです。

加えて、不動産というものは、売るタイミングによって売却額や生じる税金の額が違ってきますし、長期間、空き家にしておけば、無用な固定資産税や管理費などの支払いも発生します。

こうしたことを考え合わせると、実家の売却は「どうしようもなくなってから」ではなく、老人ホーム探しの段階で検討するべきだと思います。

ただし、万が一何らかの事情で施設から退去することになった場合、親の行き場をどうするか、などについての慎重な判断が求められることはいうまでもありません。

 


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